昼でも暗い森に好んで近づく人も減り、いつしかその存在さえもあやふやになっている、森の古びた屋敷。
やがて、こんな噂だけがまことしやかに囁かれるようになりました。
夏になれば、誰ともなく、子どもたちの間で必ず話題に上りました。
少年、優樹海(ゆうきうみ)もそんな会話を聞いて毎年過ごしていましたが、ある夏、カブトムシを探しに森に迷い込んでしまった時、古びた屋敷の姿を目にしたのです。
恐ろしくなって逃げ出した海。
街で友人たちに話しますが、誰も信じてくれません。
一緒に行こうと言っても、それは怖いと言う友人たち。
一人の少女だけが、海の話を信じようとしてくれました。
少女の名は郷美歌(さとみうた)。
歌は「一緒に行こう」と、海に言ってくれました。
「何があっても、僕が必ず守るから」
歌に約束する海。
森に足を踏み入れた二人の前に、妖怪屋敷と呼ばれた家が姿を現しました。
恐る恐る足を踏み入れる二人。
そのときです。
扉は閉まり、まだ午前中だと言うのに、二人は真っ暗な闇に閉じ込められました!
目が慣れて来た頃に見えたのは、二人に襲い掛かって来る恐ろしい妖怪の姿!
しばらくして、歌は目を覚ましました。
周りを見ても名前を読んでも、海が見当たりません。
そこへ突然、人魂のミューと名乗る人魂が姿を現します。
一人では危ないから、一緒に海を探す手伝いをしてくれると言うミュー。
歌はミューと共に、屋敷の探索を始めました。